奇跡の瞬間に出会う旅 
ネイチャーガイド 安藤 誠

Nature Guide

Profile プロファイル

1964年 札幌市生まれ。
中学の頃に自転車で北海道一周をするなど少年期頃から冒険家。教育こそ、人を作る上で必要なことであると考え、大学卒業後、塾、予備校社会科講師として12年教壇に立つ。その後、大工見習いなどをしながら1999年、Wilderness Lodge ヒッコリーウィンドを開業。旅人たちに「見たい景色を見せてくれるガイドさん」と言わしめる、貴重なネイチャーガイド。
*2018 Nature’s Best Photography ASIA Movie Winner and Semi Grand Prize Winner
(2014年、2016年から連続受賞)

【ライセンス】
ウィルダネススロッジ・ヒッコリーウィンドオーナー&ガイド
北海道知事認定マスターガイド
ニコンプロフェッショナルサービスメンバー
スワロフスキーオプティック社サポートプロガイド
国交省経産省農水省認定 地域資源活用事業認定事業者

Storyストーリー

水を絶やさぬように、ご縁を大切に

釧路駅から乗用車で約45分、鶴居村の北海道認定アウトドアマスターガイドである安藤誠さんは、この村で「ヒッコリーウインド」というすてきな名前のロッジを経営している。
ヒッコリーウィンドには北海道内外はもちろん外国からのリピーターが多く訪なう。
「ご縁は、皆に平等にある。大事なのは、そのご縁を、水を絶やさぬように継続させること」と柔和な表情で教えてくれた。
そんな安藤さんのギャラリーには、30年以上も大事に乗りつづけている愛車、オートバイがゆったりと置かれている。そばに置かれた貴重なギターも30年の付き合いだとか。
安藤さんのガイドには決まったメニューはない。今ここでしか体験できない時間を提供するために、ゲストと波長を合わせながら出逢うべき景色を決める。カヌーで川を下るときも、自然とゲストが向き合えるよう、配慮を欠かさない。誰とも会わない、自然を独り占めしながら、道なき道をトレッキングもする。
「日常にある奇跡を丁寧に感じていれば、それらは引き寄せ合ってくる」という言葉通り、安藤さんのガイドツアーでは、奇跡の瞬間を旅人は目にして立ち止まる。そしてまた、水に誘われるようにこの場所、この人に逢いに帰ってくる。

奇跡の瞬間に出会う旅 ネイチャーガイド

Snow White

奇跡の瞬間に出会う旅 ネイチャーガイド

白とは、光をあらゆる波長においても一様に反射することによって見える色のことをいう。
自然の世界に純白のものは極めて少ない。彼らは冬の象徴として時折、渡り鳥と間違われていることもあるが、一年を通して東北海道に生息する留鳥である。そして、春から秋の幼鳥の子育てが落ち着いた冬になると活発にダンスをしたり、飛翔したりする。それは雪原や降りしきる雪の中でも多々見られる。自然の世界で純白を見て感じることができるのが、美しいタンチョウというのがなんとも素敵に思えてならない。惹き込まれる白さ。この上なく上品で、かつ気品に溢れる姿。それは自然の強さでもあり、儚い弱さでもある。タンチョウは、羽繕いを頻繁に行う。その姿はまさに純白を繕うサロルンカムイ(Sarorun Kamuy)(湿原の神)の風格が漂う。雪景色にタンチョウを重ねることは、ある意味、究極の純白を感じる機会なのだろう。(安藤誠さんのエッセイ集 Ordinary Miracleより)

2015年「ネイチャーズベストフォトグラフィーコンテスト」準グランプリ受賞作品

熊の写真を撮ること - 熊そのものの哲学を撮る -

地域によって異なるというアイヌ語。一節では熊は『キムンカムイ』と呼ばれている。アイヌ語では、Kimunは豊かなる山、Kamuyは神という意味があるそうで、キムンカムイはその名の通り"山の神"と考えられている。熊の写真を撮ることは、安藤さんにとって、豊かなる山の写真を撮らせていただいているということ。山は、木であり、草であり、昆虫であり、生きとし生けるもの。生き物全てへの感謝と敬意を感じながら撮影された安藤さんの写真からは、全ての生き物の生き生きとした躍動が強く感じられる。

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