「タンチョウは人間のように喜怒哀楽が激しい」と話してくれたのはタンチョウを何年も撮り続けている写真家、和田正宏氏。 和田氏の語るタンチョウの親子やつがいについてのとても興味深いストーリーがあった。 タンチョウは夫婦愛がとても強いとよく耳にするが、 そんなタンチョウも別れるときがある。 子供のタンチョウが亜成長※の段階になると 『子別れ』の時期がやってくる。 しかし、たまにうまく子別れできない親鳥は、新たな相手を見つけるために別れることがあるそうだ。 逆に言うと、子別れがちゃんとできると一生別れることはないという。 子供が鍵。『タンチョウは鳥らしくない。』と語る和田氏の言葉に納得してしまう。※亜成長とは子別れ前の若いタンチョウのこと。 タンチョウが成鳥になるには3年ほどかかるそうで、卵から孵った4、5月ころから10ヶ月の間は親共に過ごす。 それから翌2月には、子別れの時期がやってくる。 若いタンチョウは産まれてから2年目に相手を見つけるそう。 そうして3年目にはタンチョウは大人になっていく。親と別れる前のひととき。そんな一枚の写真に思いも深まる。